老犬が寝たきりになると、多くの飼い主さんがこう感じます。
「もう立てないなら、何もできないのではないか」
しかし、寝たきり=体幹が使えない ではありません。
本記事では、老犬リハビリの現場で使われている「スフィンクス運動」と、その土台にある「固有受容感覚」の考え方をわかりやすく解説します。
目次
老犬が寝たきりになると起きる変化
シニア犬が寝たきりになると、
•前足に力が入らない
•自力で立ち上がれない
•寝たまま食事・排泄になる
•体位交換が日常になる
活動量の低下により、筋力だけでなく神経刺激の入力も減少します。
ここが重要なポイントです。
問題は「筋力低下」だけではありません。
神経系への刺激不足も進行していきます。
老犬リハビリで重要な「固有受容感覚」とは
固有受容感覚とは、自分の体の位置や動きを無意識に感じ取る感覚のこと。
筋肉・腱・関節の中にある受容器が、伸び・圧・角度変化を感知し、脳へ情報を送ります。
つまり、筋肉は“動かす”だけでなく“感じる”役割も担っているということです。
立っていなくても、
・筋肉が伸びる
・関節角度が変わる
・体重がわずかに移動する
それだけで神経は反応します。
ここが、老犬の寝たきりリハビリの核心です。
スフィンクス運動とは? 寝たまま体幹を刺激する方法
スフィンクス運動とは、
・前肢を前方に配置
・胸をやや持ち上げる
・重心を前に移す
という姿勢介入です。立たせる必要はありません。
重要なのは、
・角度
・支える位置
・負荷のかけ方
設計された姿勢は、寝たままでも体幹トレーニングになります。
実例:寝たきりからお座りへ

寝たきりだったイングリッシュポインターが、姿勢介入の積み重ねによりお座りを維持できるようになった事例があります。特別な奇跡ではありません。身体の仕組みに沿った働きかけの結果です。
立たせようとするのではなく、まず「姿勢を設計する」。
これがシニア犬リハビリの分岐点になります。
なぜ「姿勢の維持」が重要なのか
スフィンクス姿勢の本質は、起こすことではなく、維持することです。一定時間姿勢を保つことで、
・体幹筋の持久力が働く
・固有受容感覚が活性化する
・神経回路の再学習が起こる
姿勢は“瞬間的な動作”ではなく、“連続的な刺激”として意味を持ちます。
老犬の寝たきり=終わりではない
寝たきりでも、
・神経は反応する
・体幹は刺激できる
・姿勢は設計できる
・必要なのは「根気」ではなく「引き出し」です。
食の引き出しがあるように、姿勢にも引き出しがあります。みなさんはいくつ、引き出しを持っていますか。
姿勢の引き出し、増やしませんか。
まとめ|老犬リハビリで大切なこと
・老犬が寝たきりでも体幹刺激は可能
・固有受容感覚は寝た姿勢でも働く
・スフィンクス運動は体幹トレーニングになる
・姿勢設計が結果を左右する
諦める前に、まずは正しい方法を知ること。それが、シニア犬介護の質を変えます。
