老犬介護で一番大変なことを解消し最期まで自立を目指そう

 本誌2号から老犬ケア部門のコラム監修を行ってきた伊藤みのり先生が2023年6月、長年在籍されていたペットケアサービスレッツから独立し、Laughwithdog(ラフウィズドッグ)を立ち上げました。

 15年前から「坂道を登って後ろ足を鍛えよう」と地道に伝えてきたことは、ようやく周知されてきましたがまだまだこれから…道の途中です。その伊藤先生がクラウドファンディングを実施中です。思いを聞いてみました。


 20年近く犬の仕事をしてきた中で、ずっと飼い主さんに知って欲しいと思っていたことがありました。それは「うちの犬はお散歩でしっかり運動しているから後ろ足は衰えない」とは限らないということ。人間も、ウォーキングをしているけど、だんだん膝が痛くなったり、足の踏ん張りが弱くなったりする事があるとい思います。その理由が、筋力の低下や、体の使い方のクセで筋肉に偏った負荷がかかり、関節が正しい力を伝える方向に向かないために使われない筋肉が衰え、一部の筋肉だけで運動を繰り返してしまうことが原因なのです。

 これは犬にも同じことが言えます。犬業界では、「後ろ足は弱くなるもの」と言われ、シニア期に入ると、寝たきりに向かって体が衰える事は当たり前のことという間違ったイメージがとても強いのです。 でも人間と同じで、少しの意識改革で予防することができるんです。 その意識改革を「犬のゼロポジション」と位置付け、愛犬家全ての人に知って欲しいと、クラウドファンディングを実施しました。

 「ゼロポジション」とは人間の体の使い方にも使っている言葉で、脱臼や骨折の治療のために見つけた、腕、肩、肩甲骨の関節の位置のことで、関節の周囲が最も安定していて、どの筋肉にもかたよった負荷がかからない位置関係にあることを言います。近年のスポーツ選手は「ゼロポジション」の筋肉使いをマスターすることで、けがをしづらい体作りや、パフォーマンス向上のため、日々練習をしています。そこで、この理論を犬に置き換えて、犬が年を取る過程で、頭がうなだれる、背中が丸くなるといった姿勢にならないように「犬のゼロポジション」を広めていきたいと思いました。

 近年、犬の体の健康寿命を延ばすために、犬の運動を行っている人が増えてきています。しかしながら、SNSなどでその映像を見ると、「犬のゼロポジション」を意識できないまま行なっていることが多いです。例えば、後ろ足に荷重が出来ていない、運動が速すぎて、肝心の良い姿勢を作る動きが出来ていないなど。「犬のゼロポジション」がわかっていれば、効率よく、体を上手に使える犬達が増え、最期まで、自立して生活でき、老犬介護で悩む飼い主さんも減っていくと思います。実は、老犬介護で一番大変なのは、自立出来なくなった犬の意思表示と、犬と人間とのコミニケーションがうまくいかなくなることなんです。最期まで自立できていれば、犬も意思表示しやすくコミニケーションがうまくいかないことでの介護の大変さは本当に少なくなります。

 そこで、今回のクラウドファンディングでは、小型犬、足の短い犬から大型犬まで使える「犬のゼロポジション」を意識するバランスディスクの商品化と正しい使い方の動画をつけたチャレンジを行なっています。
 ぐらんわん!読者のみなさん、ぜひ応援してください。

伊藤先生オススメのリターンは
1 )犬のゼロポジにただ支援 
9 )運動マニュアル 
17 )肉球形バランスディスク 
18)肉球形バランスディスクと運動マニュアル