フリーステッチ主催、2024年11月4日(月・祝)に開催されたシーズーフェスティバル2024(場所:山中湖交流プラザ きらら)のメインステージでは、”より豊かな職場を愛犬と!”をコンセプトに、愛犬と一緒に働けるオフィスの魅力について、ドッグトレーナーのセミナーが行われました。
社内コミュニケーションの促進
ワンちゃんが職場にいることで職場でのコミュニケーションが活発になりやすい。
ワンちゃんをきっかけに社員同士の会話が始めやすくなり、職場の雰囲気がよりフレンドリーになることが期待されます。
ペットケアコストの削減
犬をオフィスに連れてくることで、ペットシッターやデイケアサービスの利用が不要となり、経済的な負担が軽減。このようなことがペットフレンドリーオフィスのメリットとして犬と出勤する側のメリットとしてよく挙げられている内容です。
企業としてのメリットや懸念点
ドックフレンドリーなオフィスにしてもらうための提案を、働く側も企業にされる機会があるかもしれません。企業としてのメリットや懸念点を理解しておくことで一方的な「ワンちゃん連れていきたいです」、「ドックフレンドリーにしてください」というような一方的な提案ではなくて相手目線に立った提案も可能になります。
企業側のメリット①
福利厚生としての魅力と従業員の定着率の向上
ペットフレンドリーな職場は従業員の定着率を高めることがあると研究で証明されました。この調査では、ペットを職場に連れていけることを非常に魅力的な福利厚生として挙げた従業員が多く、特に企業の45%以上を占めると言われている27歳から42歳(ミレニアル世代※)においてはペットフレンドリーな職場環境が企業選びの決定的要因になる可能性が高い。人材の確保、定着に悩まされている企業が多くありますがリクルート面での強みとして取り入れた企業もあります。
※ミレニアル世代とは?
企業の理念や事業の社会的意義を共感できるかを重視して企業を決定すると言われています。また、ワークライフバランス多様性を尊重する価値観を持つ人が多く、転職や起業して働く環境を変える傾向がある。
企業側のメリット②
社内コミュニケーションとチームワークの向上
ある研究によると、ワンちゃんがいる職場では社員同士のコミュニケーションが増加し協力的な態度が強まることが確認されています。ワンちゃんを職場に取り入れたグループは他者を信頼する度合いが強く協力的な行動が顕著に増えたと報告されています。
企業側のメリット③
生産性の向上
ドックフレンドリーオフィスを導入した企業の例としては、アマゾンやグーグル、他にも子会社などの中小企業家がたくさん増えてきていますが、特にこういう大きい有名なアマゾンやグーグルは、両者ともにペット同伴出勤を許可し、アマゾンでは社員が犬と一緒に働けることで、職場がリラックスした環境となり生産性の向上に繋がったとの報告があります。
また、ペット同伴制度を導入した企業では、社員の離職率が低下し、仕事に対する満足度が高まる傾向があります。
クリエイティブ業界でもペットがいることで従業員のリラックスが促進されて、それによって創造性が向上するという報告があります。ペットがそばにいることで柔軟な思考が促され問題解決能力が高まるという効果が注目されています。
企業側のメリット④
ストレスの軽減と心身の健康促進
12年に発表された研究では、犬が職場にいることで職場のストレスレベルが大幅に減少したということが研究の結果で出ました。犬と一緒に働く社員は1日を通じてストレスが低下。逆に犬と一緒にいなかった人のストレスは上昇したという結果が出ました。
この結果は、ペットが職場に与えるポジティブな影響を科学的に証明したものです。また別の研究では、犬を飼うことが心臓の健康に良い影響を与えることが明らかにされています。
ペットと触れ合うことで血圧が低下しリラックス効果が得られるため長期的な健康改善につながる可能性があるというふうに言われます。以上のようなことが企業側のメリットとしてはよく挙げられています。
従業員の心身の健康は会社経営にも利益をもたらすため重要視されつつあるドックフレンドリー、ペットフレンドリーなオフィスは近年増加傾向にあります。時代と共に生活スタイルもニーズも変化してきている。働く人たちの考え方も変わってきていることも理由の一つだと考えられます。
海外だけではなくて、日本国内も犬の同伴制度を取り入れる会社が増えてきています。少子化により人材の確保が難しくなってきている。そんな中で企業へ愛着を持ってもらうことは、企業で働くことを誇りに思ってもらうことで企業で力を発揮してもらうことは、企業にとって重要なことであるためその時のために私たちは事前に準備しておきたいという話に繋げたいんですが実際にペットフレンドリーオフィスを検討する企業は最初からガッツリ始めるところだけではなくて、実験的に始めるところが結構あります。
そんなチャンスがあった時にうちの子は無理だなという風に諦めてしまうのはもったいないです。
あなたのワンちゃんはとても利口だから連れてきてもいいよ、と、いうようなところから始まったケースも実際に多くあります。私の働いていたオフィスも良い子だったら連れてきていいよというところから始まりました。マナーを守れるなら、管理できるなら連れて来てもいいよというような感じです。
ここからはトレーナーとして今から始めておくべき準備について躾をしておくと言われてもいったいどんなことを意識したら良いのかこの機会にお話しできればと思います。大きく4つです。
今から始めておくべき準備①
ワンちゃんに日頃からリラックスや落ち着きを教えておく
これは叱ったり教育では教えられないリラックスや落ち着くというのは、安心感や心地よさから作られていくもの、学習されていくものなので、環境作りや声掛けなど、なで方ひとつとっても教えられます。
おうちや安心できる場所、慣れている場所で得意になったらその状態を環境を移動させていけばOK。なでること、人の足元、マット、ハウス、お洋服、落ち着いたり、リラックスすることと結びつけておくとそれぞれがリラックスする時の条件になりどこにいても同じような態度、同じようにリラックスをしやすくなります。
例えば、公園にピクニックやシーズーフェスイベント、一緒にリラックスする、ゆったりするマッサージしてみるのも良い練習になるかなと思います。人側もリラックスしていないとワンちゃんもリラックス出来ませんので、うちの子なかなかリラックスしにくいんだよなとか気が荒いんだよなみたいなワンちゃんの場合は、ご自身もリラックスしたり落ち着いたり、深呼吸したりするといいと思います。
きつい口調をいっぱい使っているときつくなりやすくなるので、穏やかな優しい口調で話しかけてみるとかっていうのも大事になってきます。
今から始めておくべき準備②
意思疎通を取れるようにしておく
ワンちゃんも分かってもらえる相手には焦って伝えたり、騒いで大きな行動で見せたりしなくても済むので、ストレスが軽減されますし、穏やかでいられるので人にとって困った問題が出にくくなります。
ワンちゃんが何を伝えようとしているのかこちらが伝えたいこと手順は丁寧に紹介したり、説明したり、段取りが伝わっているか、これをご家族側で見直してもらえるといいかなと思います。
今から始めておくべき準備③
共通言語を教えておく
おすわりとか伏せとか、ただの命令のように教えている方もいますがただ命令して聞けるようにすることではなくそこに意味を含ませていくのがとても大事になります。
例えば伏せを教えた時には伏せにはリラックスしてねとかそういう意味を持たせていくということですね。ついては、横についてくれたらここからは一緒のペースで歩こうとか、行動だけではなくて、そこに意味を含ませていくと共通言語になっていきます。誰とやっても誰が言っても、一回で理解できる言葉で教えてあげられるとどこでも同じように自信を持って振る舞えるようになります。違う国の言葉を知らない赤ちゃんに教えるつもりで教育する機会を作っていただけるといいかなと思います。
今から始めておくべき準備④
普段の生活で、できるだけ犬としての満足度を満たしてあげる
困った行動はストレスからくる行動がほとんどです。
遺伝的な要因もあったりとか環境的な要因もほかにもありますがストレス、不満、不安とかからくる問題行動になることが多い普段の生活の中でお散歩だったり、栄養バランスのとれたおいしくて新鮮な食事だったり、娯楽だったり、コミュニケーションあとは休息っていうところも結構見落としがちなんですが、ちゃんとリラックスしてワンちゃんのペースで休めているかとか寝ている時にいじくり回していないか、安心して休めているかというところも大事になります。
今から始めておくべき準備⑤
社会的な活動です
今日のこういうイベントも社会的な活動に入ります。
お散歩もそうです。幼稚園に通っているワンちゃんはそこも社会的な活動になります。満足しているワンちゃんは、問題となる行動を起こしにくくなると研究で出ています。心も安定するからです。これらのことを全部今までの4つリラックスや落ち着きを教える意思疎通が取れるようにしておく、共通言語を教えておく、普段の生活で犬としての満足度を満たしてあげるこの4つ全部網羅できるとコミュニケーションが取れる良き相棒となり愛犬も様々な環境で安心して自信を持って振る舞えるようになります。
愛犬に対しての準備はもちろんのこと、企業側のメリット懸念点を知っておくことで一緒に考え、解決していくことができる企業VS従業員ではせっかくの権利もうまく利用できなくなってしまう同じチームとして良くしていけるようにワンちゃんもそのご家族も暮らしやすくするように相手の立場のこともよく理解しておくことがうまくいくためには必要です。
日本のペットフレンドリーオフィスが当たり前となるように、犬と暮らす私たちが良い風を吹かせていけるように皆さん考えていただけたら嬉しいです。