Animal Reha Proportion代表 理学療法士/認定動物看護師
石黒 崇也
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人の理学療法士として病院に勤務している傍ら、2008年頃から動物病院でも獣医師の指示・監督のもと健康チェックや身体機能チェックに基づく愛犬のリハビリテーションを行いはじめるように。さらに、コンサルティングやセミナーでも活躍中。
ぐらんわん!が創刊された年、私も縁あって犬の理学療法に関わり始めるきっかけがありました。以前は、人の医療でも「術後は絶対安静」と言われていました。特に、動物病院では外科手術後のリハビリテーションを行っているところは、ほんのひと握りでした。人の医療現場でも変化したように動物の医療現場でも、一部の獣医師の先生方がアフターケアを重要視。活動を広めてくれたことで、今では犬のリハビリテーションを行える専門家が増えました。
よく質問されるのが、理学療法は何をするのかということ。『マッサージとは違うの?』と、聞かれますが、ドッグマッサージを含めたリハビリテーションの一部が理学療法なんです。ドッグマッサージなどとの大きな違いは、最初に犬の状態を確認し、改善後のゴールを決めること。例えば、歩けない、立てない、座れないなどのハンディキャップがある場合、歩き方、筋力のチェック、痛みの部位のチェックなど、様々な検査測定を行います。筋力トレーニングやバランスエクササイズ、関節可動域エクササイズ、歩行練習などアプローチ方法が様々ある運動療法や、温める・冷やす・引っ張るなどの物理療法などを最初に選択するところから始めるのです。
リハビリテーションは、1回きりでは効果がでません。例えば、排泄時に後ろ足がふらつき、踏ん張れないとします。その子に「後肢の筋力を上げる」という目標を立て、若い頃のように自力で排泄することをゴールに設定したとすると、まず筋力を上げるまでに1〜1ヶ月半の時間が必要になります。ちゃんと筋力が上がっているかを1ヶ月後に評価し、筋力が上がっていたら次のステップへ。上がっていなければアプローチを変えて再び筋力が上がるように、その犬にあったやり方を考えるのです。最終的には、生活動作に活かせるかが目的になりますので、反復が必要となります。
犬の寿命が延び、寝たきりなどのハンディを背負ったまま過ごしたくないという飼い主さんが増えています。その声にお応えできるのが理学療法だと思っています。
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