金沢カレーパークで出版サイン会

金沢出身の編集者石黒謙吾氏とゴーゴーカレーの創業者宮森会長がタッグを組み、「カレーは世界を元気にします」を出版。2人を引き合わせたご縁で、出版記念サイン会を企画したぐらんわん!編集長と看板犬ひらめがイベント会場で直撃取材しました。

「盲導犬クイールの一生」の著者、石黒謙吾氏にはぐらんわん!本誌VOL.2(2009年1月)でインタビューしています。当時に記事を再掲載します。

この記事は、ぐらんわん!本誌VOL.2(2009年1月)に掲載されたものです。

盲導犬クイールの一生の著者が贈る犬を愛するすべての人へメッセージ

犬好きの人なら一度は目にしたことのある本、「盲導犬クイールの一生」。この本の著者で自身も犬(豆柴)を飼っている石黒謙吾さんに、『犬と向き合うこと』について伺いました。


ー石黒さんは著者としても編集者としても、犬に関する書籍を数多く作られていますね。はじめに出された「盲導犬クイールの一生」を手がけたきっかけは?


子どもの頃から犬が家にいて犬好きでした。でも、それを仕事にしようと思ったことはありませんでした。ある時、『盲導犬になったクイール』という秋元良平さんの写真集に出会いました。その本で盲導犬には、生みの親、育ての親、しつけの親という3人の親がいることを知り、自分にも母親が3人いたことから、不思議な縁を感じたんです。


ー最初に写真集を見てから、本が刊行されるまでに8年かかったようですが。


写真集を見てから4年後、偶然秋元さんに会ったんです。その時クイールがもう長くないという話を聞き、何か背中を押されたような気がしました。結局、ボクは直接クイールに会うことはできなかったのですが、本を刊行することで、盲導犬の広報的役割になれればと願いながら作りました。


その後も、盲導犬のリタイア犬にスポットを当てた本も出されていますね。


「最後のパートナー 盲導犬を引退した犬たち」。この本は、構成・編集したのですが、シニア犬を飼われている方にはオススメの一冊です。引退した犬たちが老いていき、それと向かい合っているリタイアウォーカーの日常が写真と文章でありのまま綴られています。シニア犬介護の実用書ではありません。でもそこにはたくさんのリアリティがある。シニア犬とどう立ち向かうか、何が起こるのか、飼い主の気持ちのコントロールの仕方などを感じ取ってほしいと思います。


ーご自身もシニア犬と暮らしていたとか?


子どもの頃からいたロックが、17歳で亡くなりました。最後の1年くらいは、歩けず目も真っ白になっていたのでそれなりの覚悟はできていました。年老いていくことは自然の摂理。もちろん、亡くなったときは犬に対する愛しい気持ちを思い出して、もうロックに対してあの温かい気持ちを持てないのかと思うと、悲しかったですよ。


ーでは、最後に読者にメッセージを!


犬には『快』と『不快』しかありません。限りある生涯にどれくらいの愛情交換ができるか、それはシニア犬になっても変わりません。しかし、その前に自分の犬のことだけでなく犬社会全体のことも考えてみてください。ペットブームとは裏腹に、年間20万頭もの犬が処分されている問題。新しく犬を迎え入れるときは保健所から引き取るとか、飼ったら責任を持つとかみんなで考えていきましょう。

石黒謙吾  著述家
映画化もされた『盲導犬クイールの一生』や、『どうして? 〜犬を愛するすべての人へ』『パピーウォーカー』など犬関連をはじめ、『ダジャレ ヌーヴォー』『図解でユカイ』『ナベツネだもの』『CQ判定 常識力テスト』など幅広いジャンルで著書多数。編集を手がけた書籍も150冊以上。最新刊は、自身の体験をもとにした、心に染み入る7つの短編小説集『犬がいたから』(集英社)

※情報は当時のものです


関連書籍

カレーは世界を元気にします

◎内容紹介◎【Amazonより引用】
世界にフランチャイズを広げるゴーゴーカレーの創業者が綴る、叩き上げのビジネス論とハートフルな生きざま。29歳の添乗員時代に、松井選手のホームランに感動し脱サラし裸一貫で上京。金沢カレーブームをつくり、M&Aを推進、カレーの専門商社として躍進してきた山あり谷ありな激動の20年。そこから生み出された、「パーフェクトポジティブ」で真摯な挑戦の記録と、にじみ出る人間味が、55項目の見出しに詰まっています。

盲導犬クイールの一生

◎内容紹介◎【Amazonより引用】
この世に生まれ、盲導犬となった一匹の犬は、見守られながら息を引き取った。いまなお多くの人の心に温かさを点し続ける感動の名作。「人間らしい歩き方を思い出させてくれた」との言葉を残して、パートナー(使用者)はこの世を去った。盲導犬クイールの、生まれた瞬間から、暖かい夫婦のもと息をひきとるまでをモノクロームの優しい写真と文章で綴る。映画化、ドラマ化もされた感動の記録。解説・多和田悟。新たに秋元良平「出版から十五年が過ぎて」を収録。1998年、12歳で亡くなった、ラブラドール・レトリーバーの盲導犬クイール。そのクイールの一生を、まさに生まれた瞬間から死の間際まで写真におさめたフォトグラファーが秋元良平さん。ノンフィクション絵本とも言うべき作品。

弊社が企画したYouTube生配信はこちらでもご覧いただけます。

https://www.youtube.com/live/KFx2OZ6qiE0?feature=share