シニア犬の悩み② 腎不全犬はコラーゲンを摂取してはいけないの?

サプリメント「あしたも走ろっ。」の株式会社ニッピさんに聞きました。


 犬の健康維持に必要なタンパク質は、犬の身体(全ての組織、細胞、筋肉、腱、じん帯、骨、軟骨、爪、被毛、各臓器など)の成長や維持に必要な栄養素です。そのタンパク質には、肉に多く含まれる必須アミノ酸と、骨や皮に多く含まれ体内で合成することもできる非必須アミノ酸の両方が等しく揃わないと作れないルールがあります。必須アミノ酸は体内で合成できないため、食事で摂取する必要があり、栄養基準があります。一方、体内で合成できる非必須アミノ酸は、年を取るにつれ体内での合成力が落ちるため不足しがちになるのに、ドッグフードにはあまり入っていないものが多いのです。


 詳しく説明すると、フードから摂る必須アミノ酸を100%とします。年を取って体内での合成力が20%落ちて非必須アミノ酸のが80%しか作れないとします。すると、両方のアミノ酸が揃うのが80%となり、身体のあらゆる部位が80%しか作れず、身体の弱い部位に影響したり、病気や怪我の原因となるのです。そして体内に吸収した肉に多い必須アミノ酸100%のうち合成に使われなかった20%が行き場を失い、腎臓に押し寄せ、腎臓から排出しようと負担をかけるため、年を取るにつれ、腎不全の犬が増えてくるというメカニズムになります。この状況で、腎臓用の療法食にしてしまうと、総タンパク量が制限され、身体を作れない上、良質なタンパク質を摂ったとしても必須アミノ酸が主となり、よりアミノ酸バランスが崩れてしまうのです。


 その不足している非必須アミノ酸の残り20%を補えるのが、コラーゲンです。合わせて、いま若くても今からコラーゲンで不足分を補い、身体を100%作っていくことをオススメします。

最後に、まだ投薬を開始していない慢性腎臓病ということですが、療法食のタンパク質量までは摂取しても良いと考え、フードを減らし、その分コラーゲンを摂取してみてください。