元気でいることと歩くことの関係

ぐらんわん!の新編集メンバー福ちゃんのコラムです。

 私は大学の時、研究室で3頭のポニーのお世話をしていました。3頭とも20歳(人間で言うと60歳前後)を超えるおじいちゃん、おばあちゃん馬で、最年長は25歳!!  ポニーはサラブレッドのような競走馬に比べて平均寿命が長く30歳前後と言われていますが、それでもとっても長生きなんです。

 ウマにとって脚はとても大切な部位です。ウマは歩けなくなると、身体の血の巡りが滞り、痛みを伴いながら衰えていきます。また寝たままの状態だと、体の重さに耐えきれず床ずれの様な状態にもなってしまったり、腸の動きが鈍くなり食物が詰まってしまいます。
 そういったことを防ぐために運動をするのですが、運動前は脚を伸ばしてストレッチをしたり、むくんでいるか脚が熱を持っていないかを確認し、運動後もむくみは取れたか脚が熱を持っていないか確認し、脚を冷水で冷やしたりするケアをしていました。夜、にいるとき、バンテージ※を脚に巻いているウマもいて、温めて血液の流れを良くしたり、腱や靭帯の疲れを取ってむくみを防止していました。
 ひづめも歩く上でとても重要な部位であり、蹄の状態が悪いと歩き方がおかしくなったり、蹄の病気になって歩けなくなってしまいます。その為、運動後は必ず蹄を洗い清潔に保つ様にし、伸びた部分はヤスリでやするなどし、加えて月に1回程度プロの方(削蹄師)に形を整えてもらっていました。冬場などの乾燥する時は、蹄にヒビが入らないようにという専用の油を塗って保湿していました。
 運動中も脚をかばう様な歩き方をしていないか、自分で確認したり、他の人に見てもらったりしました。
運動内容ではポールをまたぐ運動を取り入れたり、曳き馬1つでもしっかり首が触れて脚が上がるように心掛けていました。その甲斐もあってか、ポニー達は元気でいてくれて、大学の乗馬実習の授業でも活躍していましたし、放牧した時には尾を上げて生き生きと走ったり、美味しそうに草を食べている彼らの姿を見ることができました。

 お家で生活しているイヌはウマと運動量が違うので、ウマでのケアをそっくりそのまま行う必要はありませんが、いつまでも自分の脚で歩き続けられるように、むくんだりしていないかな、歩き方がいつもと変わってないかな、爪が伸びすぎていたり、肉球が乾燥していないかなど愛犬の脚のケアも気にかけてあげると良いかなと思っています。最近はドッグマッサージも広まってきたり、高齢犬の散歩をサポートするハーネス肉球を保湿するクリームなどがあります。自分のペットがいつまでも元気でいれるようにサポートしていきたいですね。

※バンテージ:脚に巻く長い布。運動時は伸縮性の高いものを使用し、外傷から脚を守るだけでなく、サポーターの様な効果もある。厩舎にいる時は、フリースやフェルト生地の様なある程度厚みのある柔らかいものを使用する。

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文:高松 福恵 麻布大学動物応用科学科でヒトと動物(イヌ、ネコ、ウマ)の共生、特にヒトとウマの親和関係について学ぶ。卒業後、ヒトとペットが日常生活を楽しくおくれるようサポートすることに興味を持ち、現在、専門学校ビジョナリーアーツペット学科在学中