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いしいますみの老犬学入門②
認知症になりやすい犬種ってあるの?

 うちの犬は、もうそろそろシニアに入るのだけれど、認知症になったら、どうしようか、と悩まれていないでしょうか?どの犬でも認知症になるわけではなく獣医界が長年培ってきたデータがあるのです。ゴルーデン・レトリバーやチワワやミニチア・ダックスフンドなどの洋犬は、極めて少ない変わりに、柴犬、秋田犬、いまCMで人気の白い犬である北海道犬、甲斐犬、紀州犬などの日本犬が、なりやすいといわれています。現実問題として、柴犬がたくさん飼われていますので、特になりやすい犬種です。
 それと覚えておいて欲しいのが、日本犬の血を引いているミックス犬です。愛犬にたくさんの種類の血が混ざっていで、日本犬がどうかわかりにくい場合、ひとつの目安はオッポが立っていること。それは日本犬の血を引いている可能性が高いです。と、言うのも洋犬は、立ったオッポを持っていることが、少ないからです。

 

 それでは、何故、日本犬が、認知症になりやすいのでしょうか?それは、どうも食べ物の問題といわれています。有史以来、庶民まで、こんなに犬を大切してきたのは、ほんの最近のことです。私が獣医師に成りたての 年以上前は、犬の認知症の治療をすることは、ありませんでした。その時代、まだまだドッグフードを与えている人もまれで、犬は家から出た残りものを食べるのが、普通でした。わざわざ犬のためにドッグフードを買いに行くというのは、珍しかったのです。そんな食生活を送っていた犬なので、塩分が多すぎたりして、腎臓が悪くなり、また、ミネラルも不足して、そう長生きしなかったのでしょう。

 

 いまや犬は、ドッグフードを食べています。パピーやアダルト、そしてシニアまで。そして、動物病院では、腎臓食、心臓食、アレルギー、肥満用といろいろと処方食がそろっています。そんなフードを食べるのが、普通の時代になりました。いまのフードは、蛋白質が牛由来のものが多く、日本犬には、どうもシニアになると、それをうまく代謝できなくなり、認知症を起こすのではないか、といわれています。日本犬は、長い年月をかけて、魚の不飽和脂肪酸をうまく利用する機能が出来あがったためです。

 

 日本人も牛肉を食べるようになったのは、明治ぐらいからだし、ましてや犬は、ごく最近のこと。1960年ぐらいから、牛肉が入ったドッグフードを食べるようになったといわれています。

 将来、認知症になるかもわからないし、最近、認知症の傾向が出てきた犬を、そのまま、放置しておくのは、よくないので、サプリメント、認知症用のフードに変えることで、進行を遅くするこができるのです。具体的に説明しますと、魚由来の蛋白質にフードを変えること。魚肉、魚油に含まれている不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)が入ったフードに切り替えるといいのです。おやつを与えるときも、だし汁で取った煮干しをあげてみるのもいいでしょう。昭和の時代、日本人は、煮干しで味噌汁などを作って余ったので、犬に与えていたのでその風習を真似するのはいい方法です。

 

 いまや人間の欲望で、世界中で繁殖された犬が、世界各地で飼われているわけです。それで、犬を全部を一緒に考えるのではなく、どこが産地の犬なのかがわかれば、病気が防げたりするのです。なんでも西洋化するのではなく、日本で育った遺伝子のある犬は、縄文時代の日本人が、どんなものを食べて、その傍らにいた犬は、どんなものを食べていたか、思いを馳せると認知症は、防げるかもしれませんね。まだ、まだ、詳しいことは、わかっていませんが、まずは、不飽和脂肪のEPAやDHAで試してみましよう。


 

(vol.11 2011年4月号に掲載)

 

 

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